2018年2月25日日曜日

写真の盗用の悪質さレベル別 その対応について(特集号 その1)

知り合いが仕事に関するブログを立ち上げており、ある日その記事の内容にピッタリの素敵な夜景写真を載せていました。この人、こんなに写真が上手いんだ、と感心して、コメントで
「すごいですね、どこで撮ったんですか?」
と訊いたら、
「いや、ちょうど良い写真が他のブログにあったんで、借用したんですよ(笑)」
とのこと。
はあああ・・・・・? いやw、あんた、カッコ笑いじゃねーよ(笑)
どんなに軽い気持ちでも、それは写真の盗用って言いますから~。
試しにその写真を写真検索でググってみると、あったよあった、きちんとした夜景写真ブログのものでした。
ということでアドバイスしてあげました。
「すぐに、写真を削除した方が良いですよ。もし、それが僕の写真だったら、5万円を請求しているところです。いや、マジで」
と。
てなことで、今回は写真の盗用に関しての特集です。
ずっとこの特集を組もうと思っていたけど、今月号のアサヒカメラと、
いつも読ませていただいている写真ブログ「ログカメラ」さんでも特集があり、僕も思うところを書こうと思ったわけです。

写真の盗用といっても悪質さにはレベルがあります。
悪質さ加減とそれに対する対応を、その悪質さ順に考えてみましょう。

1)ネットの素晴らしい写真をダウンロードしてフォトコンに応募する
これ、最悪ですよね。この人間の魂の中に、公序良俗という言葉は持ち合わせてないんかい、と。幸い、僕の写真なんかをフォトコンに応募しても当選しないからか、そういう目には遭ったことはありませんw
しかしまあ、これをやるヤツは余程のクズ野郎だと言えるでしょう。写真愛好家の風上にも置けねえってのはおめえのことだ(遠山の金さんの声で読んでね)。こんなこと、まずあり得ないでしょうけどね。
もし僕がやられたら、どうせ相手は人間のクズなのだし、刑事告訴と民事訴訟を徹底的にやります。もちろん、コンテスト主催者にも連絡しますよ。コンテストなので身元はすぐに分かるでしょうから、比較的やっつけやすいでしょうね。

2)会社のサイトで使う
これは、会社の良識というか、危機意識は無いのでしょうか?
例えばもし、僕が先日アップしていた成人式の着物の写真を着物の会社がパクッてる、なんつってことになってたら、これは簡単です。相手は企業なので、高めの使用料を請求します。ごっつぁんです。
この場合は、比較的正攻法でなんとかなるでしょう。普通、そんな会社なんて存在しないでしょうけどね。

3)ポートレート写真を他のサイトであげつらったり、悪質な使い方をしたり
これは許せないな、と思いますね。モデルの方にとても申し訳ないことになります。これについても、徹底的に訴訟で戦うことになると思います。
プロバイダーにその人間の情報開示を求め、これも民事訴訟を起こすし、悪質さによっては刑事告訴もためらいません。感情的には、名誉棄損も上乗せした慰謝料を大きくして、これが一番徹底的に戦うことになると思います。

4)人の写真を自分が撮ったと公言してブログに乗せる
これも性質が悪いです。つまり、完全に悪意を持って、自分の虚像を作るために、人が苦労して努力して撮った写真をPCの前に座ったまま自分の手柄にしているわけです。これも訴訟対象になります。

4)いかにも自分が撮った写真だと誤解を与えるように転用する
これが、一番始めに書いた例になります。つまり、転用した写真を自分が撮った、という嘘はついていない。しかし、(例え軽い気持ちでも)写真を借用して、自分が撮ったような誤解を見る人に与えているならば問題があります。
ただし、これはその悪質度は比較的低く、僕ならば訴訟までということはしないでしょう。以下の3つのどれかをその内容によって選択するかと思います。
・コメント欄ですぐに削除するよう要求
・コメント欄から数万円の使用料を要求。その後、支払いに応じるかどうかによって対応を考える
・そのサイトで謝罪を表明させて削除させる

5)キュレーションやまとめサイトにて写真を紹介(リンク付き)
うーん・・・・・
これは意見が分かれるかもしれませんね。使われ方によっても許せるか許せないかが分かれるか、と。
上に挙げた、僕が地中海クルーズで撮った写真(コトルにて)はあるキュレーションサイトにて紹介されています。この例では、僕のサイト紹介をリンクとして貼られているだけだし、特に何も感じませんでした。ふーん・・・・って感想。場合によっては僕のサイトが宣伝されているとも言えるし。

6)その人のブログの記事に僕の写真を掲載し、僕の写真だと分かるようにリンクも添付して貼り付け
これは、微妙です。僕ならば、ギリギリセーフかと思いますが、人によってはアウトでしょう。
あるブログの写真を使いたければ、本来ならばそのブログ主に写真の使用許可とリンクを付けるという条件を伝えてからにしなければなりません。もっと無難なのは、フリー素材を使うことです。何も、許可を得るとかそういうめんどくさいこと、しなくて良いでしょう。

7)その人のブログに僕の写真を載せて褒めてくれており、しかも僕のリンクを貼り付けてくれている
これは、気持ちはうれしいのですが、積極的にお願いしたい行為でもありません。その写真を孫引き盗用されたらどうなるんだろう、とか、色々考えるからです。でも基本的には、僕は問題にしないかな、と。
上の6)と何が違うかというと、写真の出来を褒めることと、僕のサイトの紹介を主な話題としていることです。その人の記事の印象を良くするために利用された、というものではないからです。
ただし、一般的にはお勧めしません。
この写真が良い、という話題をしたい場合、そのサイトのリンクを貼るだけにするのが無難でしょう。

ここまで読んで、
「写真ぐらいで、何を大げさな。心の狭いことを言うやつだ」
と、思った人はいますか?
これ、二つの大きな問題があります。

ひとつめは、
例えばここで掲載した写真。これはアドリア海に面したモンテネグロという国のコトルという街まで客船に乗っていき、この山の高さまで重いカメラとレンズを担いで足で登ったのです。そのためにどれだけのお金と労力と時間を使ったのか考えてみてください。


「お、ちょっときれいな写真やんけ~」
と、軽い気持ちで盗用されると許せない、ということは簡単に分かっていただけますよね?しかも、いかにも自分が撮影したような記事でなんて、以ての外です。

ふたつめは、
これは皆さんにかかわることです。軽い気持ちで誰かの写真を盗用すると、写真使用料を法的に請求されます。証拠をそろえて内容証明郵便が送られてきた場面を想像してみてください。請求額は10万円かもしれません。
ある日突然、特別送達で裁判所に呼び出しがされるかもしれません。
真っ青になりますよ。しばらくご飯がのどを通らなくなると思います。
とにかく、軽い気持ちでブログやSNSで写真の引用なんてやってはならないのです。

写真の無断の引用なんて簡単に辿り着けないだろ、と思っている甘い人がいるかもしれませんが、今やグークル先生に写真検索をしてもらえれば一瞬で出てきます。
もしも自分の写真が盗用されていることが分かったらどうするか。
それは、今月号のアサヒカメラに掲載されています。


実は、僕はある器物損壊事件において、悪質な相手を弁護士無しで訴えて、高等裁判所までの裁判を戦ったことがあります。
正直かなり大変でしたが、もちろん勝訴しました。
従って、息を吐くように裁判を起こせる、とは言いませんが(笑)、自分にとって比較的そのハードルは低いことは確かです。何しろ、弁護士なんかいなくても裁判を起こせることを知っていますから。
次回は、裁判について軽く触れてみようかな、と思っています。

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